ブラジルの許認可関連のうち、今回はRADAR(ポルトガル語でいうと「ハダール」といった発音になる)について触れてみようと思う。
RADARは、Ambiente de Registro e Rastreamento de Atuação do Intervenientes Aduaneiros(Ambient of Registration and Tracking of Activities of the Customs Agents) の略称である。輸出入業をブラジルにて行う前に、本許認可の取得をする必要があり、端的にいえば、これは、SISCOMEX (Integrated System of External Commerce) へのアクセスを許可してもらうための連邦歳入庁からの許可である。
I – SISCOMEX
SISCOMEXは、海外取引の全情報を集約しているシステムの一種であって、当該システムは、外国取引局(SECEX)に加え、連邦歳入局(SRF)とブラジル中央銀行(BACEN)により監督されている。なお、自然人・法人にかかわらず、海外取引を行うことを企図しているものは、RADARの許可を取得することが可能である。
SISCOMEXに関連する商品の輸入の税については、こちらを参照。
II – RADARの目的
RADARは上記のとおり、SISCOMEXにおける輸出入業者への許認可を含む概念だが、このシステムにおいて、外国取引・関税等会計・財務情報がいつでもIRSによって監督可能となる。また、関税当局の手続を迅速なものとし、詐欺等を防ぐ効果もあるだろう。
III – RADARの種類
RADARは大きくわけて4種類のものがある。
- Simplified Radar
- このRadarは18ヶ月間有効であって、固定資産を輸入する会社や商社とともに特定の物品の輸入を営む会社や、最大15万USドル(四半期ごと)程度の小規模の輸出入を行う者のため発行されるのが通常である。
- Ordinary Radar
- 一般的に、輸出入業を営む会社が取得するのがこのRadarである。
- Restricted Radar
- 海外取引を以前に行ったことがある個人または法人であって、コンサルティング目的や控除目的のために発行される許認可のひとつである。
- Special Radar
- 政府関連機関のために発行される許認可のひとつである。
上記からわかると思うが、一般の民間取引で問題となってくるのは、Simplified か Ordinaryのどちらかである。単純に言ってしまえば、Ordinaryは取得に時間がかかるので、(1) Simplifiedを取得させてアップグレードという形を取るか、(2) 時間はかかっても構わないので、Ordinaryを最初から取りに行くのかという選択等を検討することになる。