ブラジル – M&A:EIRELI(一人会社)

以前EIRELI(Empresa Individual de Responsibilidade Limitada)について触れた(こちら)。このEIRELIにおいては、一人の個人がオーナーとなって、全ての持分を保有する形をすることが可能なのだが、監督庁(DERI)規則2013年第10号により、EIRELIは自然人のみが設立することができるとされており、法人による利用は不可とされていた。

しかし、上記規則はDERI規則2017年第38号により改正され、法人単独によるEIRELI設立も明文をもってようやく許されることになった(当該規則は、2017年5月2日施行)。

EIRELIというと、いわゆる個人事業主の法人成りの文脈で専ら利用されていたが(例えば、マンション個人オーナーの賃貸業等)、今後は企業の組織再編においても利用することが可能とされており、今後のブラジルにおける組織再編の選択肢の広がりを見せている。

(2018年7月30日追記)

日本企業においての使用例が発見されたので報告する。

  • 東証一部上場企業のオイレス工業株式会社が100%子会社としてEIRELIを設立している。資本金は11百万レアル(約3億5000万円)。設立日は2018年1月1日・営業開始は5月14日である。同社2018年5月10日付プレスリリースより。

 

ブラジル – 労務(アップデート:アウトソーシング/2017年法第13429号)

ブラジルの政治・経済の最近の動きはよく分からない。5月18日ころに、テメル大統領に関する政治腐敗のニュースがあったことに驚き、また同大統領についての罷免の可能性が報道された。

翌日たまたま東京に来ていたブラジル人の友達に話を伺ったが、罷免の可能性は否定できず、十分にあり得るといった話だった。昨年前大統領のジルマ氏が罷免されたばかりで、そのジルマ氏にかわってその任期2018年まで務めることになっていたテメル大統領(PTではなくPMDB党所属)まで罷免される可能性があるということは、まだブラジルの政治腐敗の問題解決には時間がかかりそうだということも示唆する。

と、まだまだ混乱が続きそうなブラジルだが、ここで最近改正された労働法について一つ朗報を…。

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