2016年9月14日、Normative Instruction RFB 2016年1658号が公布された。これはブラジル連邦歳入庁(RFB)により定められたものだ(なお、この変更は10月1日に施行される)。このRFB令は、RFB令2010年1037号を修正するものであって、従前優位な課税管轄や税優遇(tax privileges)に関する取扱いを変更するものである。
2016年1658号は、変更を加えていたのはもっぱら以下の点である。
- Curacao(キュラソー島)、St. Martin(セント・マーチン島)およびIreland(アイルランド)は所得税による課税がされないまたは20%を下回る税率での課税であり、更には法人の株主等の構成員情報へのアクセスを禁止する地域(これを特別課税管轄 – TFJ)として上げられていた。オランダ領アンティルやセントクリストファー・ネイビスはこれに含まれないことが明らかとされた。
- 税優遇特区(PTR)につき、オーストリア法に基づく持株会社の場合はその地域での実質的な経済活動の内容にかかわらず、これに含まれることとされることとなった。
注意すべきなのは、TFJやPTRの意義自体は立法上手当てされているにもかかわらず、現在の立法はRFB作成のこれらに関するリストについて言及されておらず、立法とこれらリスト上の管轄との整合性が文言上一致していなかったという点である(ブラジルらしいといえば、ブラジルらしい点の一つに挙げられよう)。
このため、RFBは長年の間、これらのリストを更新等するたびにこれらをガイドラインとして使用し続けてきた。このような実務からして、上記RFB令による変更は今後の実務の変更を促すものとして考えられるだろう。